2017年4月25日火曜日

(オランダ編) ポストセキュラー神学とは

オランダの(キリスト教)神学教育事情についてはまったく門外漢なので、この投稿内容に関してはあくまで「参考程度」ですね。

「脱・キリスト教(post-Christian)」のヨーロッパにおいて、世俗化(secularization)後、現在の「ポスト・世俗(post-secular)」状況をどう捉えているかについて幾らかでも(英語での発信によって)オランダの事情を知れるのは助かります。


オランダにある「プロテスタント神学大学(機構)」(Protestant Theological University - PThU)という組織については初耳ですが、実はその組織のツイッター(PThU)をしばらく前からフォローしていました。

プロテスタント神学大学ウェブサイトの説明によると
 (1)「キリスト教信仰」と「現在の文化的状況」がどのように「相互交流」しているかを、プロテスタント伝統の視点から研究し、
 (2)特に「宗教と社会・文化」というより広い文脈での分析に注力している。
 (3)同時に「オランダ・プロテスタント教会」(二つの改革派教会と福音ルーテル教会とが2004年に合同してできたオランダ最大のプロテスタント教派) が公認する神学校(牧師の教育訓練校)でもあり、
 (4)急速に変化する時代に柔軟に対応しながら「信仰」「教会」「世界の宗教」に取り組む神学センターを目指している。
のだそうです。


さて以上が簡単な導入説明ですが、今回の投稿のメイン・トピックである「オランダから見るポスト・セキュラー事情」についてうかがい知る一大イベント(4月24日~26日開催)らしいものが「プロテスタント神学大学(機構)」によって主宰されているもようです。

新しい「神探求」、持続する社会に神学はどう応答するか
(New Quests for God: Contributions of Theology to a Resilient Society

会議の趣旨(プログラム)を読んで受ける印象は:
 (1)(「神(々)の復活」)の多様性・多義性
(ニーチェが「神の死」を叫んでから100年が経つ今)「神の復活」は「様々な意味表象」があるようだが、どう分析し、どう理解したらいいのか。
 (2)世界大に見られる現象としてどう捉えるのか
 ポスト・セキュラー欧州の場合に限定せず、世界の諸地域での宗教の復興・再現・再登場(resurgence, re-appearances, re-stage)とも合わせてみた場合
 (3)持続する社会(Resilient Society)の観点から
 これらの宗教復興現象での「神」が「どう語られ」「どう実践され」「どう価値づけられ」れば社会の持続に貢献するのか、
 (4)その評価と判断を神学的反省が課題としている。


教団立の神学校として、プロテスタント神学大学は世俗化の波で信者数・教会数が激減する一方、数々の移民グループをサポートする教会が都市部で活発に宣教奉仕している状況がある、ことを意識しているようです。

One of the main challenges for the PCN is the far-reaching secularization in the Netherlands. A large part of the population no longer counts itself as believer. An increasing number of believers live their faith outside the framework of the church. At the same time the migrant churches are flourishing in and around the urban centres. They are very active in mission and diakonia. This is yet another challenge to the Protestant Church in the Netherlands, to reflect on how to transmit the gospel message to others in a credible and contemporary manner.
WCCメンバーでの教団の紹介文から。)

どのような位置付けになるか詳しいことはよく分かりませんが、教団内の「福音派(Evangelicals)グループ」(The Evangelical Working Alliance within the Protestant Church in the Netherlands)のウェブサイトが、世俗化の波にあるオランダの教会の問題点を挙げながら「マニフェスト」を公表しています。
(2004年の教団合同以前の動きであったのかもしれません。だとすると現在福音派グループは教団内にとどまっているのでしょうか。それとも分離独立したのでしょうか・・・。)

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