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2017年11月6日月曜日

チャールズ・テイラー

社会学者のカテゴリーで紹介するのは、ピーター・バーガーに続いて二人目となる。

チャールズ・テーラー(1931-)はカナダの著名な哲学者でカトリックの信者である。

著書も何冊も邦訳されているので紹介は省略する。

テイラーについては既に何度か書いてみた。

そしてこの宗教と社会ブログでもここに少し

テイラーの考察する現代西洋社会(というか、どのように今日の社会となったか)は教会関係者にとっても重要な意義がありながら、特に福音派にあっては余り取り上げられることはなかったように思う。
そんな中で哲学の分野に詳しいカルヴィン・カレッジのJ.K.A.スミスが、現代の文脈でキリスト教のメッセージを語るには、ちょうど海外宣教師がその土地の宗教を学ぶように(それが文化人類学というディシプリンになったわけだが)、いまやポスト・キリスト教になっている西洋の思想的精神的文脈がどういうものか先ず学ばなければならない、と紹介したのがチャールズ・テイラー『セキュラー・エイジ』(2007年)であった。

しかしテイラーの『セキュラー・エイジ』を読みこなすのはさすがに大変なので、その入門的なものを書いたのが How (Not) to Be Secular: Reading Charles Taylor


この紹介サイトでは著者インタヴュー動画が見られる。

そうこうしているうちに大衆的で浅薄な“福音”ではなく、もっと思想的にもガッチリした福音提示を目指す“新カルヴィン主義”のグループであるゴスペル・コーリション(TGC)のコリン・ハンセンが編集者となってテイラーの『セキュラー・エイジ』を多角的に吟味する論文集『Our Secular Age』を出した。
 (大和郷の教会ブログの関連紹介記事を同名カテゴリーでご参照ください。)


ちなみに編著者であるコリン・ハンセンがTGCウェブサイトで結構長い紹介記事を書いている

また、論文寄稿者の一人、アラステア・ロバーツが自身のブログに書いた紹介記事がこれ
他にもう一人、デレク・リシュマウィの自身のブログにおける紹介記事がこれ

テイラーの『セキュラー・エイジ』は邦訳出版されると思うが、スミスの本も、ハンセン編の論文集も邦訳出版されることは恐らくまずないだろう。

いずれにしてもどんな内容の論文集になっているか興味深い。

2017年7月16日日曜日

ピーター・バーガー(1929-2017)

お世話になった社会学者(故人も含めて)を紹介するということで、つい先ごろ亡くなったピーター・バーガーをトップバッターに選びました。

訃報を聞いての第一声(ツイート)は

バーガーの社会学については、アルフレッド・シュッツの多元リアリティ理論に依拠する・・・ことを少し書いた。(大和郷にある教会ブログ

いずれにしても「意味世界(リアリティ)」が社会的な構築(物)であると言う認識アプローチは様々な応用があるが、特に宗教(信仰)に対して伝統的なアプローチ(神学)とは大分異なる視点を提供する。(伝統的な神学だけをやってきた者には初めはなかなか馴染めないものであろう。)


さて、そのようなアプローチの理論的基礎としてバーガー&ルックマンの『現実の社会的構成』はよく使われ読まれたテキストブックだったと記憶している。


残念ながら筆者の手もとにはその原書が見つからない。(だいぶ昔に片付けてしまったようだ。)

その代わりと言っては何だが宗教社会学応用編となる三つの本と現代人の意識分析の本を書棚からピックアップして並べてみた。


時代的に言うと1970年代の本なので大分昔と言うことになる。

では追悼記事(オビチュアリー)を幾つか選んでリンクを貼っておきます。

上の方から順にお勧めですが、 三番目のアルバート・モラーのは7年前のインタヴュー記事で音声もあります。

それから最後に検索している時に見つけた論文を二つリンクしておきました。(後で時間が出来たら読んでみようかと思っています。)

The Precarious Vision of Peter Berger
by Martin E. Marty
July 3, 2017


(Washington Post)
Peter Berger, sociologist who argued for ongoing relevance of religion, dies at 88

Dr. Berger, born into a Jewish family in Vienna, planned to become a Lutheran minister before turning to academia, where he spent much of his career bridging reason and faith and defying easy labels.

Dr. Berger also made major contributions to the field known as sociology of knowledge, which studies the ways in which society shapes human thought. H is 1966 book “The Social Construction of Reality,” co-written with Thomas Luckmann, was ranked No. 5 on a list of the 20th century’s most influential works of sociology by the International Sociological Association and was translated into more than 20 languages.

Rethinking Secularization: A Conversation with Peter Berger
by Albert Mohler
October 11, 2010


Late scholar Peter Berger admitted 'big mistake' as sociologist of religion
by Christian Century staff
July 7, 2017

Alfred Schutz's Influence on American Sociologists and Sociology
by George Psathas




by Marek Chojnacki

[おまけ]
※ある社会学徒による「社会学者ピーター・バーガー自伝」というブログ記事が見つかりました。