2015年も終わろうとしている。
このブログ「宗教と社会」のテーマで言うと、やはり今年最も印象的な出来事は、パリで起こった二つの大きなテロ事件だ。
シャルリー・エブド襲撃事件
パリ同時多発テロ事件
実は西洋世界でのテロ事件はメディアにより多く・強く報道されるが、ツイッター等で報告されるテロやテロらしき殺傷事件は数多く、ほぼ日常的にさえ感じられる。
その中でやはり「イスラム」が絡んだ事件が多いとの印象は避けられないだろう。
現在米国で展開中の大統領指名候補を争うキャンペーンが繰り広げられているが、通常では大失言にも値する「人種」に絡んだ移民排斥発言が(共和党の)複数候補によってなされている模様だ。
その中でも格別先頭を行くトランプ候補の発言は過激だ。
いわゆる「イスラム恐怖症(イスラモフォビア)」の作用は、パリ同時多発テロ事件の影響によって再燃しており今後の大統領選も左右しかねない模様だ。
遅ればせながらというべきだろうか、ここに来てようやくイスラム過激派が引き起こすテロと彼らの宗教イデオロギーとの関連に注意を向ける必要があるのではないか、との認識を持ちつつある。
彼らが世界のあちこちで事件を起こす度、「イスラム過激派はイスラムではない。イスラムは平和的宗教だ。」とのアッピールがイスラム側からも、非イスラム側からも繰り返される。
当然である。グローバル社会にあって宗教を基にした対立が全面的に展開されるようになることを避けなければならないことは自明だからだ。
しかしだからといって「イスラム過激派は『イスラムという宗教』の名を語る殺戮集団」と片付けていいのだろうか。
やはり彼らの行動の背後にイデオロギーの問題があり、そしてそのイデオロギーが単なる暴力行為の正当化ではなく、彼らの暴力行動を引き起こす大きな要因となっている可能性があることを真面目に取り上げる必要があるのではないか。
彼らの宗教イデオロギーの中でも、特に「アポカリプティック」な過激思想に焦点が一つ絞られてきているように思う。
コーランの厳密な読み方や、イスラムという宗教の厳密な理解の問題はあるだろうが、とりあえず
イスラム過激派とアポカリプティック思想
というテーマで素人の(アームチェア)リサーチを始めてみようと思い至った。
そして折々そのリサーチ・ノートを公開していこうと思うのであった。
名付けて「イスラム過激派思想リサーチ・ノート」、略してIA(Islam Apocalyptic) リサーチ・ノートの開始だ。
せんせー、
返信削除中田 考 三は、ガチ勢のムスリムですが、イスラーム 生と死と聖戦 (集英社新書) 新書 は非常に良かったと思いました。息子に買い与えた本だったのですが、息子が読み終わったので化してもらいました。まぁ、イスラム的というのか、確信犯でイスラムやってはるだけに。
多少終末思想の話も出てきます。お近くの図書館にあるんじゃないでしょうか。借りられるかどうかは別として。
2時間ほどで読み終えましたが、非常にオリエンタルである(オクシデントに対して)とは、どーゆーことか、ということを考えさせられた1冊でもありました。
こちらにも早速コメントどうもです。
削除中田考さんはツイッターでフォローしますが、まだ著書は読んでいません。
池内恵の本は今予約しているところですが、中田さんの方も早速読んでみることにいたします。
オススメありがとうございました。